2011年07月12日
富士山頂、地名あれこれ。
先日、ヤマレコのほうで、、、
「あの水溜りはコノシロ池というんですね。知りませんでした。」
とのコメントを頂いた。
確かに、、、
看板が立っているわけではないので、
何度も登っているか、事前に調べて行った人じゃないと知らないと思う。
私自身、名前を知ったのは2~3年ほど前だったか。
そして、、、
富士山の頂上と言うのは、、、
思いのほか色々な所に名前が付いている。
ざっと調べてもこのぐらいあった。
せっかくなので少し解説する。
浅間神社から時計回りでいこう。
①コノシロ池
以前も富士山の話で書いたが、こんな言い伝えがある。
---------------------------------------------------------------------------
木花咲耶姫(富士山の主祭神)が醜い風神に求婚される。
困惑したものの一計を案じて山頂のコノシロを取ってこさせ、
それを焼きながら姫が死んで葬儀をしている所だと偽り、風神をあきらめさせた。
コノシロは焼くと、
人間の屍臭の如き煙を発するという俗信があり、これを利用したようだ。
これによって浅間神社の師職はコノシロを食べないと古くから伝えられている。
---------------------------------------------------------------------------
ただの窪地に水が溜まっているだけかと思っていたが、
三島岳など周囲の雪解け水が流れて来るのと、、
地下の浅い部分を通り抜けて窪地に水が湧いてくる、半表流水だとのこと。
②虎岩


火口に大きくつきだしている岩で、蹲る虎に見えることからこの名がついた。
平安時代前期の学者、都良香による『富士山記』に、
「蹲虎(うずくまる虎)の如し」との記載がある。
③大内院
言わずと知れた火口。
開山中は大日如来が鎮座されているとのことで、入ると捕まってしまうそうだ。
最深部の標高が3538.7m。火口の深さは約237m。
山頂火口の直径は780m。火口底の直径は130m。
④親知らず子知らず

剣ケ峰から北へと続く切り立った岩稜のこと。
現在は通行止め。
⑤雷岩

剣が峰と白山岳の間の外輪にある岩。
この方角から強い雷雲がくる事からこう呼ばれたらしい。
岩自体に無数のヒビがあるようで、強い雷に打たれたためともいわれる。
⑥小内院

白山岳直下にある小火口。
⑦西安ノ河原(西の賽ノ河原)
剣ヶ峰の北側、標高3700m付近に広がる砂礫の原。
以前は国立公園事務所が建っていた。
⑧釈迦の割れ石
小内院の上、白山岳の端にある割れた岩。
白山岳は廃仏毀釈以前には釈迦岳と呼ばれていたので付いた名前と言われている。
画像はやまちゃんのブログで。
⑨金明水
雪解け水が溶岩の間からしみ出ているもの。
山頂に出る貴重な御霊水ということで信仰の対象にもなっていた。
⑩荒巻

江戸時代晩期から昭和中期にかけて、噴気活動が存在した場所。
明治&大正時代にはココの地熱でゆでた卵が売られていたらしい。
⑪東安ノ河原(東の賽ノ河原)
長田尾根を登り詰めると到着する。
NTT富士山頂分室があり、
そばには富士無線中継記念碑と、
富士山で殉職した栗山國男さんの殉難碑がある。
⑫銀明水

御殿場口の頂上にある。
金明水同様、山頂に出る貴重な御霊水。
これらの地名に八神峰を加えると、
富士山の頂上と言うのは、かなり地名が混み入った場所のような気がする。
しかし、、、
せっかく行くのなら、、、
こんなコトも知っていたほうが楽しいかも知れない。
特にお鉢巡りをする時などは。
Posted by 工場長Ⅱ at 16:27│Comments(0)
│富士山の話
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。